(68)エコキュートの騒音問題を知っておきましょう

 ■ 深夜に働くエコキュート

エコキュートは、深夜電力を使ってお湯を沸かします。その時間帯は、23時から翌朝7時まで。ちょうど、多くの人が眠る時間帯ですね。

メーカーによると、その運転音は40デシベル程度です。

しかし、壁や地面、自動車などの反射物によって反射音が生まれ、音が大きくなる場合があります。

エコキュートの運転音で、特に響くのは低周波音なのですが、これにより健康被害に苦しむ人が増えているようです。
 

■ 具体的な症状

    眠れない・眠りが浅いなどの不眠症状。
    イライラ、幻覚、癇癪、脱力感、不安感、疲れやすい、集中できない、などの自律神経失調症状。
    肩こり、動悸、めまい、頭痛、腹痛、吐き気、手足のしびれ、血圧上昇、脱毛、あごの痛み、胸の圧迫感など、体調の変化・・・。

これらはすべて、低周波音との因果関係が証明されているようです。

大切な睡眠時間に低周波が発生するのですから、被害に遭っている方の苦痛は、大変なものでしょうね。
 

■ 被害を防ぐために

エコキュートの生産業者が加盟する「日本冷凍空調工業会」は、数年前の4月「設置に関するガイドブック」を発表しました。

それによると、隣家への音の伝わりを防ぐには、コンクリートブロック塀など、隙間の無い塀を立てることが有効です。

ただ、塀の近くに建物の壁があると、音が増幅されてしまいます。単純に塀を立てればいい、というわけではないのです。
 

■ 遮音のために塀を設ける場合の注意事項

前述のガイドブックから引用します。

    音源に極端に近い塀を設けると、ヒートポンプユニットの吸熱が悪くなり、効率を悪化させる。そのため、メーカー指定の間隔以上を確保すること。
    塀の高さは、音源の高さより1m高くすること。
    塀の長さは、高さの数倍以上(両側に)とること。
    塀の材料は、スレート、コンクリートブロックなど、強固で頑丈なもので、隙間を作らないようにすること。

 

■ 設置を避けた方がいい場所

    近隣の住宅と、あなたの住宅の寝室付近。
    窓や換気口など、運転音が近隣の住宅に直接侵入しやすい場所。
    壁や塀に囲まれた、極端に狭い場所。
    エアコンの室外機など、ほかのヒートポンプユニットに近い場所。

ただ、これらの対策を施しても、完全に防音できるわけではありません。ご近所が密集している場合は特にそうですね。

エコキュートは、2003年?2010年に267万台販売されているそうです。現在も設置家庭は増加中で、その分、騒音問題も増えています。その影響か、建築確認申請の段階で、市町村からエコキュートの設置場所を確認されるケースもあるんです。

これからは、業者だけでなく、一般の方も知識と関心を持っておいた方がいい問題ですね。

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