先日、小学校の校長先生とお話しする機会がありました。
その中で、
「来年度、この学校にも空調が設置されるかもしれないことになったんですよ。
これで、暑さや寒さで体調を崩す子が減ることでしょう。
ただ、逆に気温の変化に順応できない子供が出てきそうで心配です。
最近の家は温度変化が少ないし、外遊びをする子供は減っているので、
季節に応じた気温変化に接するのは通学の時間だけ、
という極端な子が出てきてもおかしくありませんよね」
という言葉に、いろいろと考えさせられました。
「最近の子は外遊びをしない」と批判されるご時世ですが、遊べる場所が少ないから遊べないという事情もありますよね。
ボール遊びを禁止している公園も多いと聞きます。
放課後に校庭で遊ばせてくれる学校が減っているとも聞きます。
外で遊ぶ環境が整っていないなら、家で遊ぶしかない。
しかも、家での遊び方は充実する一方です。最近では、未就園児でも携帯ゲームを持っています。
以前、幼稚園帰りの3歳児が、「あとでウチで通信しようぜ」と友達と話しているのを聞いた時には、力が抜けてしまいました。
お母さん方の話によると、「幼い下の子を抱っこしながら上の子の外遊びを見守るのは大変なので、私が楽をするために子供にゲームをさせている、という部分は確かにあります」とのこと。
確かに、最近は幼児を一人で外で遊ばせるのが危険な時代です。
家事で忙しい夕方には、そんな方法を取らざるを得ないこともあるでしょう。
ガキ大将が幼児の面倒を見てくれた時代は、今のお母さんからすると、夢のような時代なのかもしれませんね。
ところで、心身を健康に保つためには、適度な運動は欠かせません。
寒さや暑さに接し、体に程よい刺激を与えることも大切なことです。
自律神経を鍛えることもできるし、適度な疲れで寝つきも良くなるので、30分程度の散歩や、休日の子供との外遊びはお勧めです。
庭で野菜や花の世話をするのも、結構体を動かすのでいいですよ。
ヒートショックや結露に悩まされることのない家に住んでいたら、寒暖による体の負担は大きく減ります。
ただ、体にとって必要な刺激を得る方法も考えておかないと、体の退化を招く羽目になるかもしれません。
人は、不便を手放して便利を手に入れる代償として、器用さを失っています。
ナイフで鉛筆を削ったり、おもちゃを作れる子供は、今はどれだけいることか。
同じように、厳しい気候に接したからこそ鍛えられていた心身は、快適な環境の中で何を失っていくんでしょう。
校長先生のおかげで、快適な家に住んでいるからこそ、もっと外の環境を意識しようと感じた一日でした。
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