(125)リスクとハザード

お子さんはちょっと危険な遊びを見つけるのが上手ですね。

でも、「危ないからダメよ」と、親が冒険のチャンスを奪うことも多いものです。

冒険や挑戦は、お子さん自身が「危険を予知する力・事故を回避する力」を身につける大切なものかもしれませんね。

赤ちゃんが箱の中のティッシュを全部出して、お母さんを困らせるのも、幼児が階段からジャンプしてお母さんをハラハラさせるのも、じつは大事な体験なんだと思います。

ところで、危険には2種類あることを、あなたはご存知でしょうか?

一つは「リスク」。

成長にとって欠かせない危険です。

何がどう危険なのか、どうやったら安全なのかを学ぶのに重要です。

もう一つは「ハザード」。

事故につながる危険性があるもの、或いは、お子さんでは判断不可能で除去すべき危険のことをいいます。

お子さんは発育・発達の段階によって身体の大きさだけでなく、安全に対する能力も全く違います。

少しドキドキするような危険があった方が、遊びは面白いものです。

それに、自分で経験しないとリスクを判断する力が育ちません。

「この前は、あの塀から飛べるようになって楽しかったけど、今は雨上がりで下が滑りそうだから、何か別の遊びをしよう」と、自分で判断できるお子さんは安心じゃありませんか?

親としては、二度と塀から飛ばないでほしいんですが…。

一方で、「台風で大きい波が来てるぞ」と制止を振り切って海に出るサーファーがいますよね。

ひょっとしたら、危険を予知する力が育たなかったのかもしれません。育てる機会をもらえなかったのかもしれません。

「お子さんがケガをした事例があるから」と、遊具を撤去した公園があちこちにあります。

一見、親切のようにも見えますが、「正しく使えば安全だ。でも、こんなふうにしたら危険だということを、お子さんが知る機会を奪っているようにも思えます。

例えばブランコ。

最初は、「座って揺らして遊ぶ」という考え方で作られました。

でも、お子さんの創造性は豊かです。

立ちこぎをしたり、靴を飛ばして競争したり、二人で乗ったり。

飛び降りた距離を競ったりもします。

自分が子どもの時は楽しかったんですが、親になると、ドキッとして心臓が止まりそうになることもありますよね。

少し前までは、運動能力が育っていないと危険な遊具がありました。

自信がない子は遊ばなかったし、各自のレベルに応じた遊び方を工夫していました。

兄弟や近所の年長さんがいたからできたのかもしれません。

親が毎回付いて教えるのは難しいことですよね。ほんのちょっとの冒険も止めてしまうかもしれないし。

遊具の危険をつきっきりで教えるのは難しくても、家の中の危険は、あなたが教えなければいけませんよね。

土地探しでも家づくりでも、すべての危険を取り除くのは不可能なこと。

子どもでも大人でも、行動には自己責任が伴います。

それを小さい頃から教えるのに、家は活用できます。

庭、階段、お風呂、キッチン、玄関などなど。

もしハザードがあったら、親は除去する方法を考えなければいけません。

リスクならば、年齢に応じた対策を考えればOKです。

お子さんの危機管理能力をどこまで成長させられるのかは、親次第。

まずは、今の住まいのリスクとハザードを家族で考えてみませんか?

そして、その対策をみんなで話し合ってみてはどうでしょうか。

それは新居づくりに役立つかと思います。

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