(36)『最近の子』と家族

【『最近の子』と家族】

子どもたちの「生活15年変化」の調査結果をご存知でしょうか?博報堂生活総合研究所が定期的に行っている調査らしく、昨年の対象は、首都圏に住む小学4年生から中学2年生の1,200人。1997年と2007年の調査結果をもとに15年間の生活変化をまとめているようです。とても興味深い内容だったのでご紹介してみます。

■ 家族との関係

大きな特徴は、

    「自分の世界」より「家族と一緒」。家族との親密さが増している。
    「友達」よりも「家族」。家族の求心力が高まっている。

ということです。

家の中で一番長く過ごす場所は居間(76.2%)。1997年の56.4%、2007年の63.0%と比べると大きく増加しています。

逆に減少しているのが、自分の部屋で過ごす時間です。

32.3%→29.1%→17.3%となっています。

こんな調査結果もあるようです。

友達より家族の方が大切・・・86.1%

大切な話は、友達より先に家族に話す・・・60.1%

30年前に調査したら、全く違う結果になっていたのでは?
 

■ 友達との関係

大きな特徴は、

    友達との関係性は以前よりややドライに。
    コミュニケーションツールは「深さ」から「広さ」へ。
    メールは減って、SNSへの関心が高まる。

ということです。

ちなみに、「親友が欲しい」と思う子は、小学生12.1%、中学生10.0%です。

また、クラスが変わると前のクラスの友人と遊ばなくなったり必要に応じて付き合う友人を変えることからも、ドライな関係を好む傾向がうかがえます。

メル友の数の平均を見ると、2007年は24.5人だったのが、2012年には20.2人に減少。逆に、SNSの参加率や参加意向率は増加しており、身近な友人と深い関係を築くより、バーチャルな相手との関係を築くことに関心を持っています。

この世代が住まいづくりをする時は、今以上にネットが大活躍しそうですね。
 

■ 生活圏

大きな特徴は、

    学びの場:学校を楽しむ傾向が高まるなか、塾に通う子どもは減少。
    遊びの場:「ゲームセンター」より「テレビゲーム」。
    遊びの場は「家の中」志向が増加。

ということです。

これまで塾に一度も通ったことがない子どもは45.4%。不況で教育費をかけられない世帯もあるのでしょうが、高学歴でも就職できるとは限らないという時代背景もありそうですね。

また、いろんなテレビゲームをしたいと考える子は多く、遊びに来た友達と携帯ゲームで対戦している様子をなんかで見たことある私としては、納得の結果となっています。


■ その他

大きな特徴は、

    東日本大震災が身近な関係の大切さを痛感させている。
    激動の時代を過ごす中でも、子どもたちの幸せ実感は増加している。

ということです。

震災を体験して、

    「誰かと一緒じゃないと眠れない。一人でいると怖い」(中1 女子)
    「一人になると危ないから、みんなと一緒にいるようにしている」(小4 女子)
    「大震災の後、弟のことを考えちゃって泣いた」(小4 男子)

など、家族の大切さを実感した子が多かったようです。

家族とのつながりを大切に考える子が増えたのは素敵なことですが、一人でいることを不安に思う子が増えたのは悲しいことですね。

これらのことを考えると、家族の温もりを感じられる住まいづくりは、本当に大切ですね。

彼らが安心して毎日を過ごすため大人たちができることはどんなことでしょう。

何だか、住まいのあちこちを手直ししたくなりました。

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