あなたは「プレカット」ってご存知ですか?

建築用の木材を、工場などであらかじめ加工しておくことを言います。

昔は、大工さんが現場で加工しながら組み立てていましたね。

近くを通ると、木を削る音や、木の香りが心地よかったものです。

凄い技術を持った人なんだ、と子どもなりに感じていました。

プレカットの長所は、手作業から機械作業に変わったため、品質にバラツキが無いことです。

ミスも防げるし、工期短縮にもなります。コストダウンも期待できます。

ただ、一方で短所もあります。

大工・職人が腕を磨ける場所が無くなるんです。

「自分の腕で、喜んでもらえる家を作りたい」と高い志で大工さんを目指した人の中には、プレカット主流の現場にショックを受けて辞める人もいると聞いたことがあります。

施主としては、腕のいい大工さんに家を建ててもらいたい。

でも一方で、金額は抑えたい。
業者も、優秀な大工さんを育てたい。

でも、コストカットや工期短縮を考えると、プレカットは捨てがたい。

お互いにジレンマがあります。

最近は、『暮らし方』ではなく、『金額』を最優先に家づくりをする人が少なくない気がいたします。

そうなると、質より量で対応する業者が出てきます。つまり後継者の育成まで手が回りにくい。

・・・ということは?

もし新築を依頼しても、アフターに不安が残ります。

実は、良心的な業者には「若手の大工さんを育成したいのにできない」という悩みを持つ人が多いんです。

子育てと同じで、育てるには時間と手間が掛かります。

技術だけでなく、家づくりへの愛情や責任感の育成も必要です。

ある調査によると、全体の7割の人が

「現在のところ、大工さんは足りている」と回答しつつも、「大工さんの高齢化に危機感を持っている」

「若手が育たないので、後継者を確保できない」

「このままでは、将来的に不足する」

との問題点を挙げています。

大工さんの育成には、国や業界の支援も必要ですが、あなたをはじめとした、一般の方の理解も大切です。

理解を示されて、応援してもらえた人は、さらに成長しようと頑張るものですから。

将来、あなたのお子さんが、「大きくなったら、僕が世界に一つだけの、お父さんとお母さんのお家をつくってあげるね」

なんて言ってくれたら素敵ですね。

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