子供部屋について考えるいい機会と思いましたので、今日は、静岡大学名誉教授の外山知徳氏の話をもとに、「子供部屋をいつ与えるか」ということについて考えてみたいと思います。
外山氏は、以前、静岡大学の学生を調査したことがあるそうです。
無表情な学生
おとなしい学生
普通の学生
にぎやかな学生
の4つのグループに分け、何が性格を作ったのか、ということを調べたそうです。
その結果、一番相関関係があったのは、「子供部屋をいつ与えられたか」ということだったようです。
回答に多かったのが
無表情な学生・・・小さい頃から自分の部屋が与えられていた
おとなしい学生・・・小学校3?4年生頃
普通の学生・・・早くても小学校5?6年生。多くは中学生
にぎやかな学生・・・子供部屋を与えられたことが無い
というものだったそうです。
この結果を見ると、「じゃあ、子供部屋は与えない方がいいの?」って思ってしまうかもしれません。いいえ、決してそんなことはありません。
あなたにも心当たりがあると思いますが、自分のスペースにいると、とても落ち着きますよね。
動物と同じように、人間にも「自分のテリトリー」が必要です。ただそれは、「部屋」でなく「スペース」でもいいそうです。
小さい子なら、家族の話し声が聞こえるリビング。
お母さんなら、快適に使えるキッチン。
お父さんなら・・・書斎は少数でしょうか。
よく「トイレ」という声も聞きますが。^^;
子供部屋だけでは子供を育ててくれないと思います。子供は親が育てますよね。
子供部屋は、あくまでもそれを媒介するだけなんです。
ですから、
現在の子供の性格
どんな子にしたいか
家族とどのように関わらせたいか
ということをよく考えてから部屋を与えるのが良いかもしれませんね。
それだけでなく、部屋を与えた後の親の関わり方も大切だと思います。
いくつかの例を紹介しましょう。
「部屋を汚さないで」とガミガミ言われ続けた小学4年生女の子は、やがて家に帰りたがらなくなったそうです。
「汚してはいけない、また怒られてしまう」という思いから、家が安らげない空間になったようです。
また、「お兄ちゃんと同じ部屋をあげるね」と言われた小学1年生の男の子は、一人で寝るようになってから、おねしょをするようになったとのことです。
母親は自立させるために、一緒に寝ることを拒否。
結局、兄が本を読んだり一緒に寝てあげることで、おねしょが治っていきました。
子供はやがて親元を離れて自立します。それまでに、子供とどのように関わりたいかを、もう一度考えるのもいいかもしれませんね。
家族は、人間関係を学ぶ、最小の「集団」です。狭い借家から広い家に引っ越すと、お互いの関わり方は変わります。
そう考えると、間取りって本当に大切ですよね。
家は、人格形成に大きな影響を与えるものなのでしょうね。
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