(64)自然素材の短所

前回は、自然素材の長所について、いくつかお話ししました。 あなたも、画一化された素材が、 精神に与える影響に「ええっ!」と思ったかもしれませんね。

住まいの心理学では「モノトーンがもたらす害」として危惧されていることらしいです。

あなたの家だけでなく、園舎や校舎にも自然素材を積極的に取り入れてもらいたいと、改めて感じました。

さて、今回は自然素材の短所についてお話しします。

一番は、やはり価格でしょう。

一般的に、工業製品より高価だし、産地や品質によっても違います。万が一、偽装されていたとしても消費者には分かりません。あまりに不透明ですよね。

産地ではなく、その役割を重視した方が、あなたの不安感が和らぐかもしれませんね。

他の短所として、反り・狂い・キズのつきやすさ・メンテナンスの多さなどがあります。長所としてお話した調湿性は、素材の細胞中の水分を調整しています。だから、反り・縮み・割れが出てくるのは仕方のないこと。

ただ、その症状の大きさは、地域の気候や生活の仕方によって異なります。家族構成によっても違うので、業者の説明通りというわけにはいきません。

そんな反応があっても構わない部分にだけ自然素材を使った方が無難かもしれません。

ところであなたは、施主が書いたブログなどを見たことはありますか?無垢材と珪藻土を用いた家の様子を伝えたものがあります。

無垢材の伸縮によって、珪藻土の壁がはがれた写真も紹介されています。

それを「家が生きている感じ」 と捉えるのか

「またメンテナンスをしないといけない。面倒だ」と捉えるのか。

その感覚で、自分が自然素材に合っているのかも分かります。

家づくりに限らず、手間がかからず体にいい、というものは疑った方がいいかもしれません。

食物でも、体に良いとされる無農薬・減農薬・有機栽培といった類は手間暇をかけて育てています。

要は、自然素材とあなたの、ほどよいバランスです。

ちなみに、うちのスタッフの知り合いが使っている机は自然素材です。何年前のものか分からないグラスの形をしたシミもあれば30cm位の割れもあるそうです。人の顔に見えるような節もあります。

その方は、パソコンで目が疲れた時には、その節を見て目の体操をしているそうです。

それぞれの机の表情・経年変化など、木にしかない温もりをとても気に入っているとか。

長所も短所も捉え方次第。やみくもに「自然素材がいい」と捉えるのではなく、どういう性能を求めたいのかを、まず考えると良いですね。

今回まで、長所と短所についてお話ししました。

「ところで、家を建てる人たちはどう考えてるの?」というのは、あなたの気になるところだと思います。 近いうちに、建築予定がある皆さんの声を紹介したいと思います。

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