(44)地中熱で省エネ

 ■ 地中熱利用のメリット

深さ10mほどの所の地温は、年平均気温と同じくらいの温度です。

例えば北海道は10℃、東京は17℃、九州南部は20℃程度。

あなたが住む地域の、春か秋をイメージするとわかりやすいですね。

そんなほどよい温度ですから、夏には冷房として、冬には暖房として、そのまま活用できます。また、地熱は温度がほぼ一定ですから、太陽熱のように、時間や天候に左右されることもありません。

火山や温泉の近くしか得られない地熱のように、場所を選ぶ必要もありません。

電気を生み出すことはできないものの、場所や時間を選ばない地中熱は、とても貴重なエネルギーです。温暖化防止や省エネにも役立つのも嬉しいですね。
 

■ 都道府県別での普及状況

設置件数が多い都道府県は、以下のようです。

1位・・・北海道(322件)

2位・・・東京都(87件)

3位・・・岩手県(72件)

4位・・・青森県(50件)

5位・・・秋田県(49件)

となっているようです。

冷暖房・給湯だけでなく、融雪にも利用されています。高齢になった時や、体調が悪い時、毎日の灯油の補給は大変です。それに、毎年の灯油価格に一喜一憂する必要がないのは助かります。そんなことを考えると、寒い地域の利用が多いのは納得ですね。
 

■ 価格

初期導入価格は地域によって異なるようです。ちなみに、2010年の例では、群馬県の住宅で380万円くらい。北海道の住宅で290万円くらいです。

この費用の中で、大部分を占めるのが掘削コストです。年間の掘削件数が少ないことや、地域によって地質が異なるために価格に大きな開きがでてくるとか。

このように導入価格は高いのですが、熱を作る作業が減るので、日々の電気代・灯油代は安くなります。給湯や冷暖房での従来のランニングコストと比較した場合、30年間で500万円ほど得をするとの試算例もあるようです。

また、補助金を利用することで、10年から20年程度で初期投資の回収ができるといわれています。
 

■ 補助金

近年、補助金を用意している地方自治体は、旭川市、札幌市、岩手県、宮城県、福島県、山形県、さいたま市、富山県、三重県などのようです。

とても少ないですね・・・。

たぶんこれは、2010年までエネルギー政策として認知されていなかったからかもしれません。経済産業省の補助金が始まったのも2011年度くらいからですし。今年度以降のチェックが欠かせませんね。

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