(42)地鎮祭にご祝儀は要りません

前に新築時の挨拶についてお話ししました。地域の慣習がある場合には、事前に確認しておくといいですね。さて、今回は地鎮祭についてお話します。

地鎮祭について悩む人も多いので、今から心に留めておいてほしいことです。

地鎮祭の目的は、これから家を建てる土地の神様に、ご挨拶をすることです。

施工業者は、「無事に工事ができますように」。施主様は「これからこの土地に家を建て、住まわせていただきます」とご挨拶をします。

一説には、奈良時代から地鎮祭をするようになったといわれています。土地によっては、工事中に原因不明の事故が起きたり、住み始めてからトラブル続きだったり、ということもありますからね。

最近は地鎮祭を行わない施主様も多いのですが、変な不安感を残したくない方は、行なっておいた方がいいかと思います。

さて、地鎮祭をとりおこなうのは、普通はその地域の神主さんです。ただ、あなたが神主を探せない場合は、業者が知り合いの神主に依頼してくれることもあります。

準備物は、神主さんが揃える場合もあれば、指示されたものを、あなたか施工業者が揃える場合もあります。

次に初穂料(神様に捧げるために神主へ渡すお金)について。

業者が依頼した時は、業者に金額を尋ねてください。自分で依頼した時は、直接神主さんに尋ねても大丈夫です。神主の給与ではなく、神様に捧げるお金という意味合いのものなので、遠慮せずに尋ねましょう。

この時、業者によっては あなたに変な依頼をするかもしれません。「当日は、大工や社員が参加します。それぞれに○万円ずつご祝儀を渡してください」というものです。

ここまで読み進めたあなたなら、「神様に挨拶するのに、どうしてご祝儀を?」と思いますよね。その考えは正解です。

地鎮祭の準備を業者に依頼して、その費用を支払うのなら分かります。しかし、地鎮祭は業者と施主のそれぞれが、それぞれの無事を願って土地の神様にご挨拶をするものです。ですから、業者にご祝儀を渡すというのは、大きな間違いだと思います。

もし業者にご祝儀を渡すとしたら、上棟式の時です。このことを知らない業者は、意外と多いかもしれません。もしかすると、知らないふりをして請求しているのかもしれませんが・・・。

いすれにしても、正しい知識を持っている業者なら、地鎮祭でご祝儀を請求しません。・・・というか、ご祝儀は自分から請求するものではありませんよね。^^;

ですから、あなたがもし業者にそんな依頼をされたら、「地鎮祭は土地神様に挨拶をする場なので、ご祝儀を渡すのはおかしな話です。上棟式と勘違いされているのでは?」と、きっぱり伝えてください。

それでも支払えというのなら、値切るのもいいでしょうし、神主と家族だけで行うのもいいでしょう。

業者との関係がこじれることを心配して、言われたことに従う人もいます。でも、疑問に思ったことを尋ねなければいけないシーンは、この先、次から次へと出てきます。

その時の小さな不満の積み重ねが、やがて大きな不信感に育ち、「あんな業者に頼まなきゃよかった」と、家に愛着を持てなくなることもあるかもしれません。それを防ぐために、業者に疑問や不満を感じたら、その都度話してみましょう。

ただ、感情的になるのだけは避けてくださいね。

初めての家づくりは分からないことだらけです。だからこそ、業者任せにするのではなく、事前に正しい知識を身につけることがより良いですね。

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