(33)室外機は意外と危険

節電対策として、壁と平行に設置してあるエアコンの室外機を、ちょっとだけ方向を変えてみる、といった方法が、近年の夏に流行したようです。

室外機といえば、買い換えるまでは触りもしない、というイメージがあったのですが、今はそんな時代ではないんですね。

ところであなたは、室外機の破裂事故が毎年発生していることをご存知ですか?

あるアンケート調査では、3割以上の消費者が「室外機を自分で取り外してみたい」と答えたのですが、読み終える頃には、そんな気が起きなくなるかもしれません。

「室外機は意外と危険 」

■ 事故事例

事故情報データバンクで紹介されている事例です。

    平成24年9月

戸建新築後、ハウスメーカーがエアコン室外機を設置時に爆発。機器破損。

    平成23年9月

引越しのため、エアコンを業者が取り外していたら室外機が破裂。窓にひびが入る。

    平成23年8月

エアコンの修理作業中、室外機が破裂し、作業者と住人が軽傷。

    平成22年7月

室外機を取り外していたところ、室外機が破裂し、左足に軽傷。

    平成21年7月

エアコンの修理作業中、室外機が爆発し、外壁の一部が破損。
 

■ コンプレッサーって?

エアコンや冷蔵庫などの省エネ家電には、コンプレッサーと呼ばれる圧縮機が搭載されているものがあります。

特定の場所の熱を奪い、それを別の場所に放出する装置を「ヒートポンプ」といいますが、コンプレッサーは、そのポンプの役割を果たしています。

その中は高温で高圧の状態で、知識の無い人にはとても危険です。

■ コンプレッサー破裂の3つの条件

    冷凍サイクル内に空気が入る
    冷媒回路の内に詰まりなどの閉塞部がある
    コンプレッサーが稼働中である。

空気が混入すると、冷凍サイクル内が異常な高圧になり破裂します。あのエアコンの室外機でさえも粉々になるほどです。

エアコンの設置や取り外しは、とても見慣れた工事です。でも、手順を一つ間違っただけで、専門業者でさえ事故を起こしてしまうほど危険な工事です。

それを考えると、数万円の工事費も納得ですね。

ひょっとしたら、工事費節約のため、自分で取り外そうと考えていませんか?それはとても危険な行為ですから、絶対にやめてくださいね。

もちろん、自分で取り付けるのも危険です。きちんと設置できなかった場合、水漏れ・感電・火災の原因になりますよ。


■ 事故件数はわずかですが、事故件数が少ないためか、私たち消費者は、室外機がそれほど危険だということを知りません。

もし あなたのお住まいに、10年以上使っているエアコンがあるなら、この機会に室外機を見てみましょう。

架台やつり下げの取り付け部分がグラグラしていたり、腐食している部分はありませんか?室外機が落下することで、同じような事故が起きる危険があります。

便利な生活と引き換えに、私たちの身の回りには危険が増えています。正しい知識を持つのは大切ですね。

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