(195)定年後、一人の時間が欲しいですか?

2011年の日本人の平均寿命は、男性が79.44歳。女性は85.90歳でした。

そして、会社勤めの方の定年は60?65歳。

定年後を自宅で過ごす期間は20年以上あります。

そこで気になるのが、定年後の過ごし方です。

朝から晩まで働きづめな男性の半数は、「定年後は、夫婦一緒の時間も大切だが、一人で過ごせる時間も大切だ」と考えています。

ちなみに、女性の約7割も同じ意見です。

彼らは、住まいの中に、書斎や趣味の部屋など、自分の時間を楽しめる空間を求めています。

しかし、家づくりをする時は、よほど予算がある人でない限り、数十年先のための部屋なんて作れませんよね。

そんな時、おすすめしたいのが『子ども部屋』の再活用です。

多くの夫婦は、家の中で一番快適な場所に子ども部屋を作りがちです。

その子どもが巣立った後、そこは日当たりの良い物置になります。

または、子どもがいつ帰省してもいいように、手つかずのままにしておきます。

これは、とてももったいない使い方ではないでしょうか。

私は、以前「一番環境の良い場所は、夫婦の部屋にしたほうがいいですよ。子どもは、やがて巣立つものですから」とお話ししたことがあると思います。

といっても、「大切な子どもには、一番いい環境を」と、ついつい良い場所を用意したくなるのが親心でしょう。

ならば、そこを将来の趣味室として考えながら家づくりしてみるのもいいですよね。

窓やクローゼットの大きさや配置は親の意見を優先させるとか、そんなささやかなことでも構いません。

「この部屋は、将来お父さんが音楽を楽しむ部屋として使うからね」と、一部屋にだけ防音対策をしておくのもいいですね。

そうすると、後のリフォーム費用を減らせるし、老後の楽しみもできます。

私の知り合いには、定年後、DIYに目覚めてガレージにこもりっぱなしになった方や、ガーデニングに目覚めて、早朝から土いじりを楽しむ方がいます。

そんな趣味がきっかけで、ご近所さんとの会話を楽しんだり、新たな友人ができたという話を聞くと、趣味を楽しめる環境は大切だなと感じます。

逆に、自由な時間ばかりだから何の趣味も持てない、という方もいます。

奥さんにくっついてばかりで、煙たがられる人もいます。

そんな時間を過ごすのは、何とも悲しいことですよね。

一人で過ごせる時間は、自分に向き合える大切な時間です。

そんな時間があると、日々の反省や他者の理解ができるようになり、家庭円満にも役立ちます。

一人で過ごせる部屋は、必ずしも趣味の部屋でなくても構いません。

「この時間の日差しが、ただ何となく心地いい」というだけでも十分です。

これから数十年も暮らすわが家です。

そんな空間を用意できたら、年齢を重ねるのが楽しくなりそうですね。

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