今日、あるお客様から聞いた話を・・・。
築11年の家に住む両親が、間取りで後悔している事があるのだとか。
それは縁側を設けなかったこと。
困った事があったら隣近所と助け合う、程よい距離感で暮らしており、特に用事は無くても、ふらっと立ち寄って話をしていく人が多く「最近顔を見てないけど、元気かい?」という感じ。
なかなか良い環境ですね。
「立ち話では疲れるし、家に上がってもらったら長くなるし、そこまでの話じゃない。ちょっと腰掛けて話せる縁側か、土間があれば良かったなあ。建てるときは考えもしなかったけど」
と、最近はよく話しているそうです。
アニメの『サザエさん』に出てくるような縁側。
今、あなたの頭にパッと浮かんだ、あんな感じかもしれませんね。
11年前に家を建てようと、住宅会社を選ぶときは、「近くの小さな会社よりハウスメーカーの方が、名前も売れているし、安心だろう」
という理由で、車で1時間ほどかかるハウスメーカーに依頼したそうです。
往復2時間。
週に一度やニ度、打ち合わせで通うわけです。
壁紙選びなど時間が掛かかる日もあるでしょうから、とても疲れたでしょうね。
ハウスメーカーの対応には、まあまあ満足していたそうですが、何年も住んでみたからこそ
「自分だけの家ではなくて、万人向きの、誰でもそこそこ便利に暮らせるような家」
と実感しているとか。
以前の家の不満点は解消されたそうですが、不満部分にだけこだわったので、自分がそこで何をして、どう暮らしたいか、なんて考えもしなかったと言っているそうです。
ハウスメーカーも、今までどんな暮らし方をしていたか、新しい家で何をしたいかなんて、聞いてくれませんからね。
お互い、誰のための家をつくろうとしていたのか・・・、そう思われたそうです。
家づくりについて勉強している あなたなら、「おかしい」と気付く事ができるかもしれませんが、そんな視点を知らず、“不満を解消すること”を中心に考えていては難しいと思います。
縁側があると部屋が暗くなるからイヤだ、と思う人もいます。
でも、暮らし方によっては必要な人もいます。
違って当然で、どちらが正解という訳でもないと思います。
ただ、家の中に遊びの空間があると、家族の成長に合わせて色々な使い方ができますよ。
子どもが小さい時は兄弟で秘密基地をつくったり、寒い冬は縁側で、ゴロンとひなたぼっこをしたり、ムダだけど、何だかホッとする空間・・・。
廊下などのムダなスペースを削って、少しでも価格を抑えたい、という考え方もあるでしょう。
でも、家族のために必要な「ムダ」だったら?
あなたは、どう考えますでしょうか?
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