(8)住宅ローン+奨学金の返還

最近は奨学金を借りる人の割合が増えました。日本学生支援機構の調査によると、5割以上の家庭で利用されています。

この5割以上というのは、申請が通った人だけの数で、申請が通らなかった人を合わせると、実に6割以上にもなるそうです。


■正社員以外の延滞が増加

日本学生支援機構による平成22年度奨学金の延滞者に関する属性調査によると、

無延滞者の68.0%は『正社員』ですが、延滞者の場合、『正社員』はわずか27.4%。次に多いのが『アルバイト・パート等』で25.1%です。

また、年収200万円未満の割合を見ると、無延滞者は33.0%ですが、延滞者は71.4%です。

ちなみに、延滞が継続しているのトップ3は
?本人の低所得・・・47.8%
?奨学金の延滞金額の増加・・・27.8%
?親の経済困難・・・37.8%

となっています。
 

■本人が返済できないと・・・

奨学金を借りる時、親は連帯保証人か保証人になるケースがほとんどです。ですから、本人が返済できない期間は、親が返済することになります。これが、親世代には大きな負担になっています。

長期の住宅ローンを組んでいる人の場合、ほとんどの人が、住宅ローンと奨学金の2つの返済を抱えることになるからです。

ところで、新築をするための資金計画を考える時、多くの方がライフプランを考え、無理のない返済計画を立てますね。特に、教育費・老後の資金・修繕費など、高額な費用については慎重に計画を立てます。

ですが、そこに『奨学金の返還』を入れている人は少ないはずです。教育費が終わってから老後の資金を貯めようとしていた人には、とても重い負担になります。


■あなたの子どもが住宅ローンを借りる時

もし、返還が終わっていない状態で住宅ローンを借りようとすると、奨学金の残金が、住宅ローンの融資可能額に大きく影響します。そのためにお子さんが家づくりをあきらめたら、あなたはどんな気分になるでしょう。

「しっかりとした資金計画をして、教育費を十分に貯めておけば、子どもにこんな思いをさせなくてもよかったのに・・・」と、ずっと後悔するかもしれません。

もし、お子さん夫婦がそれぞれ奨学金を借りていたら2人分の返済が終わるまでは、家づくりをあきらめるしかないかもしれません。

奨学金はありがたい制度ですが、住宅ローンと併用するのなら、万が一のことも考えておくのが賢明ですね。

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