(40)金銭感覚が狂いがちです。

契約書にサインして押印する時、「やっと自分の家を持てる」という喜びと、「自分は数十年も住宅ローンを払えるんだろうか」という不安で、複雑な気持ちになる人は多いものです。

逆に、不安にならない人の方が私は心配です。

契約後、具体的な話が進むにつれ、不安より喜びの方が増し、追加工事を依頼したり、新たなこだわりが生まれたりということもあるものです。
その結果、予算がどんどん膨らんで後悔する羽目になったら悲しいですね。

家づくりの時は、数万円、数十万円単位で物事を考えることが多いので、気付かないうちに金銭感覚がおかしくなります。

ですから、契約後の詳細な打ち合わせの時には、「この変更をしたら8万円の追加? パートの給料1か月分か・・・」といった具合に、住宅ローンの支払いをイメージしながら考えてみましょう。

ところであなたは、毎月の住宅ローンを給与の何割程度にしたいと考えていますか?

一般的には3割程度までならOKだと言われていますが、私は2割程度を目安にした方が安心だと考えています。

その理由は、

    控除の廃止や増税で、これからも家計が厳しくなることが予想される。
    東京電力に続いて、他の電力会社も値上げをする方向。
    不景気のため、給与やボーナスが減る人が増えている。
    将来的に年金が減額されることは、ほぼ確実。
    住宅ローンの支払い額を増やすのは歓迎されるが、減らすのは交渉や手続きが大変。

といったものです。

「でも頭金が少ないから、月々の支払いを増やさないと払えないんだよ」という人もいるかもしれません。

そんな人は、「ローンというものは、払い始めたら何とかなるもんだよ」と思っているのでしょう。でも、20年や30年という返済期間を、本当にこの考えで乗り切れるんでしょうか。

ボーナスはいつなくなってもおかしくありません。

失業や病気で、収入がなくなるかもしれません。

月々の返済に一生懸命で貯蓄できない生活だったら、収入が途絶えた途端にアウトです。

・・・こわいですね。

ですから、追加工事や設備のグレードアップを考える時は、契約以前の金銭感覚を思い出してください。そして、本当にそれを依頼していいのかを再確認しましょう。

それと並行して、普段の生活を見直すことも大切です。

新築したら、毎年4月頃でしょうか、固定資産税の通知が届きます。ちょうど、自動車税の通知と同じ頃です。

車を2台以上所有する家庭で、両方を一括で納めようとすると、恐ろしい金額になるのでは?

知人は、夫婦で普通車に乗っていたところ、合計税額が10万円を超えたとか。

そこで、1台を軽自動車にし、もう1台を排気量の少ない普通車に買い替えたところ、税額が半分以下になったと喜んでいました。

同じような工夫をしたり、あまり乗らない車を手放したりすることで、自動車税は随分安くなります。それに伴って、任意保険の金額も抑えられるはず。

また、チラシしか見ないのなら新聞の購読をやめたり、ケータイやスマホの料金プランを見直したりと、いろんな無駄を取り除いてみましょう。

生命保険の見直しも忘れずに。

そうする資金作りの頃、あなたも一度生活を見直していると思います。それを、契約後にもう一度やってみるんです。と、常に普段の金銭感覚で考えられるのではないでしょうか。

生活を楽しむための予算はできるだけキープし、無駄な予算は極限まで見直す。契約を無事に終えて嬉しい時だからこそ、心に留めておきたいことですね。

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