(51)「伝える力」と「聞き取る力」

住宅業界ではクレームが多い、という話を聞いたことがありますか?

原因はいろいろありますが、その一つとして意思の疎通がきちんとできていなかった、ということがあります。

例えば、「収納スペースをたっぷりとりたい」より

「ここには子ども2人分の服や物を、ここには300冊の本を置きたい」と具体的に伝えた方が、業者も分かりやすいと思いませんか?

何をどれくらい置いて、誰がどう使うかを業者がイメージできると、さらに使い勝手の良い提案もしてくれるかもしれません。

本をたっぷり置きたいのなら、床下に補強が必要な場合だってあります。

「これだけの収納スペースがあれば充分ですから、あとは居住空間にまわしても大丈夫ですよ」と教えてくれるかもしれませんよね。

スタッフが、新築経験のある知人に尋ねたところ、10人中8人が「依頼したようにできていない」と不満が残ったとか。詳しく聞いてみると、自分の描いたイメージを言葉だけで伝えきれていた、と思い込んだいた事例もありました。

中には、「外壁の色がイメージと違う。どうしても納得できない」と、張り替えてもらった人もいました。

彼女は、時間をやりくりして、小まめに現場に顔を出していた人です。職人と良い関係を築けていると思っていました。

ところが、クレームを伝えた翌日、いつもより早めに顔を出したところ、

「一生懸命きれいに仕上げたのに、これをはがして張り替えるなんて、やってらんねえよな」と職人達が話しているのを聞いてしまいました。

すぐに職人も気付いて、お互い気まずかったんですが、その場はきちんとお茶出しや挨拶をしました。でもその後、彼女は自分が悪者になった気がして、引き渡しまで現場に行けなくなってしまったようです。

外壁は、小さい見本で見るのと完成品を見るのとでは、かなりイメージが違います。また、太陽の傾きによっても、陰影や色合いが変わってきます。

それを営業スタッフがきちんと説明して、彼女がしっかりと理解していたら、こんなことにならなかったかも。

前述の10人中の2人は、「望み通りの家ができた」、「意思の疎通がしっかりできた」と満足していました。

それぞれハウスメーカーと工務店に依頼したんですが、どちらも家族間の話し合いや、業者との打ち合わせに時間をかけたとか。

OB宅や見学会で実物を、家族で一緒にたくさん見て、そのたびに家族で話し合って、イメージを明確にしていったんです。

打ち合わせの際は、お互いの「伝える力」と「聞きとる力」がとても大切です。そこをクリアすれば、1回目でも満足できる家づくりができそうですね。

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