12、新築住宅の木工事について

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新築住宅の木工事についての話です

木工事とは、木造住宅の建築過程で最も重要な工事を指します。
構造部分も含めて、家の骨組みを造っていく工事です。

木工事は大きく四段階に分けられます。

1.まず、土台から柱を立ち上げ、梁、桁など横木を渡し、主要な骨組みを作る。

2.筋違い(筋交い)や間柱、小屋組みや床組みを施す。

3.壁、屋根の下地を施し、サッシやドアを設置する。
  (ガス、水道、電気などの配管配線工事も同時に。)

4.外部では瓦を葺き外壁を施し、内部では断熱材の充填をし、内装の下地を施す。


コスト的には、総工事費の35~40%が木工事に費やされます。

それぞれの工程については、次回から詳しくお話しますね。

新築住宅木工事(構造編)

中間検査までの大工さんの重要な仕事。それは、構造材の施工と耐震金物の設置です。

そのときに使う釘やビスを見てください。すべてに着色されているものあると思います。

主に長さをあらわしているのですが、これは、構造材や耐震金物を施工した後でも、適切な釘・ビスが使われているか確認できるようになっているのです。

一箇所にいろんな色が混じっていたら、不自然ですね。監督に確認してみてください。

この場合は、故意にしているというよりも、職人や監督の無知の場合が多いです。大工も監督も勉強しないといけません。

地震や台風などの自然災害に対抗する、最も重要な工事です。気になるところはしっかりと確認してください。


最近は、構造部の検査はかなり厳格です。公的検査と民間の第三者機関の検査の併用も、珍しくはありません。
今回、釘やビスの色を見ることで判断できる場合もあるとお話しました。
これは、彼ら検査員が容易に確認できるよう、そうなっているとのことです。

そういった検査機関を利用しているかどうかで、安心度も増すかもしれません。

注意点

検査機関にまかせておけばいいんですが、素人が目で見てわかるチェックポイントを。

現在の在来方法での接合部は、ほとんどに金物を使っています。
地震の時に柱に引き抜き力がかかるので、それに抵抗する金物(ホールダウン金物)です。

この設置は義務付けされていますから、きちんと付いているかチェックしましょう。

ワンポイントアドバイス

検査は厳格。第三者機関のチェックも利用しよう。

はじめに第三者機関の住宅保障機構に加盟している建設会社・工務店を選んでおくと安心かもしれません。

新築住宅木工事(造作編)

大工工事が終わりに近づくと、間仕切りができているので、部屋のイメージがわかってくると思います。
その時に、思ったより狭く感じるかもしれません。

でも、安心してくださいね。地縄張りのときに、家が小さく思えたのと同じです。
室内に何もないので、目の錯覚でそう見えるんです。
入居後、家具やソファーを配置すれば、思ってた通りのインテリアになります。

それと、もうひとつ。
現代の住宅の内装は不燃材料で仕上げることが多いですね。

不燃材料の代表格に、石膏(せっこう)ボードがあります。
文字通り、石膏の粉を圧縮し固めた板状のもので、主に壁紙の下地に使います。

ところがこの石膏ボード、燃えないんですが、釘やビスがあまり効きません。

だから、入居後、重たい額を壁に吊りたい。
ホームセンターで買った棚を付けたい。
家具を固定したい。

こんな場合は注意が必要です。

前もってやりたいことが分かっているときは、監督さんか、大工さんに相談してください。
補強の下地を入れてくれたり、石膏ボード以外の材料で、対応してくれるでしょう。

家の工事が始まると、工事自体が気になるもの。

契約前なら、カーテンは・・・、新しい家具は・・・、電化製品も・・・、と新しい生活について、いろいろ夢が膨らんでいたはず。
周到にインテリアプランをイメージしておくことで、現場での、打ち合わせがスムーズに運びます。

注意点

「自然素材=健康に良い、独特の風合い」などという印象がありますが、過大な期待ばかりを持つのは危険です。

・湿度調節はメリットだが、そのため収縮・膨張をする。

・断熱性や保湿性はメリットだが、傷がつきやすい。

・独特の風合いはメリットだが、節や色のばらつきが目立つ。

メリットとデメリットをよく知り、デメリットも楽しめる心が必要です。

家を建てようと思い始めたときのことを思い出してください。
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